2.  タワーリング・インフェルノ

 

さて、白やぎ店主のコラムの第1回は音楽話である。既に第2回目ではないのか、とか細かいことを言ってはいけない。大物なれませんぞ。前回はまくらなのである。

 

普段、白やぎ店主は晴耕雨読の日々を送っている・・・訳が無い。畑もないので町で仕事をとってきたり、お金を集めてきたり、支払ったり、脚立を持って用務員のおじさんのようなことをしたり、手紙を書いたりと割と日々忙しい。本も読まれぬままに平たく積み上げられ、この間数えたら1mの塔が5本建っていた。1冊読むより早く次の一冊を買ってしまうので仕方ないのである。本屋に行かなければ買えなかった時代にはさすがにそんなことはなかったが、今は気になった時に<ポチッ>と押したら翌日から数日以内にお届け下さるので、気軽に<ポチッ>としてしまう。ならばしばらく買わなければよいのだが、面白そうな本とチャンスは見つけた時につかまえなければ次何時会えるかわからないものだ。

ずっと昔祖父が病床で「お前(白やぎ店主のこと)には蔵書の折口信夫全集をやる。」と言っていたのに、その時もらわなかったばっかりに祖父は他界してしまい、未だに私の手元には無いことからも明らかである。

というわけで当面の間我が家には、今にも倒れそうな搭が五つ立っている。塔の麓を一歳になるやならずの娘が這い回っているので、読み終わるまでは東南海地震が起こらないことを切に願う。もう読んで知恵になり役だった本で怪我をするならまだしも、読んでない本でそうなったのでは悔やんでも悔やみきれまい。

 

ああ、与太話をしていたら、音楽話まで行き着かなかった。仕方ない。次回にしよう。そうしよう。

 

DSC_0069