小出尚永

こいで なおえ

 

1978年  兵庫県尼崎市に生まれる。
1997年  備前焼作家 原田 拾六氏に師事。
2011年  岡山県牛窓町に登り窯を築窯し独立。
2013年  初窯を焼成。
2014年  銀座黒田陶苑にて初個展をひらく。
2014年  ギャラリーラボにて個展をひらく。
2015年  銀座黒田陶苑にて個展をひらく。

 

幼少の頃より、ネジ回しを片手に家中の電化製品のネジを外しては分解し両親を困らせていた。
今思えばそれは“破壊”という行為そのものである。
幼いながらにカバーで覆われて見えない部分、言葉を変えると物事の本質ともいえる部分に魅力
を感じていたのを覚えている。
ある時、人間は自然界にありながら人工物に囲まれて生活していることに気が付いた。
自身も一人の人間として、自らの手で無から有を成すことに目覚めていった。
それはまた 人間の手で成す技の偉大さを思い知ることにもつながり、今となれば作陶の原動力
になっている。
その後、師である原田拾六氏との出会いがあり備前焼の魅力の虜となり現在に至る。

 

 

koide

 

 

私がコンビニで「すりゴマ」を買っていると、小出氏が「そんなものを買ってはいけない、それは本物とはいえない。あなたはすりゴマをしらないようなので、まあ仕方がないが」。また別の折、私が「草刈り」をした話をすると、小出氏が「草刈りほどムダな作業はない。草はそもそも、はやさないようにせねばならないのだ」。とおっしゃりました。

小出尚永氏のこの「独特感」を認識するには、会ってから少々の時間経過を必要とします。氏の師の原田拾六氏の「独特感」とはまた趣を異にするものです。ですが、その作品の良さを知って頂ければ充分ですので、皆様におきましては無理にそれを「確認」する必要はないと思われます。  (企)