森本 良信 Morimoto Yoshinobu
略歴
1976年
岡山県に生まれる
2000年
自宅に穴窯を築き、古陶の焼成研究をする
2004年
個展にて作品発表を始める
2007年
瀬戸内市牛窓町に移転
2012年
備前陶と高麗茶碗を中心に「侘び道具」の研究をする

胡麻、サンギリ、榎肌、カセ胡麻、紫蘇肌、緋襷、など焼き成りが細分化され、それぞれに名称が与えられているということにおいて、とりわけその数が多いのが備前陶です。
そのなかでも特に「土味」と呼ばれるレアな土肌があります。(私は土に味という組み合わせが嫌いですので普段この言葉は使いません。)
要は「とても良い焼け肌」のことです。
室町期の備前には、けっこうな頻度でそれを見ることができるのですが、桃山期以降それが激減します。おそらく存在の目的が変化したので、造形に傾斜していったことが因だと思われます。

 

さて、森本良信氏は少し以前までは、備前素地のひとつの局面である激しく変化の強い焼き成りを得手とし、愛好者を増やして来た作者でした。
そしてここ最近の氏は、変化なしでも成立する「土を見せる備前」を志す傾向にあります。
派手な備前(に限ったことでもありませんが)がもてはやされる「末法期」において、この英断は評価されるべきです。

今回の最新作は更に「そちら寄り」になるとのことですので、是非ともご期待下さいますようお願い申し上げます。

2018年7月 ギャラリーラボ 企画